USB-Cケーブルは見た目がほとんど同じですが、対応する規格によって性能が大きく異なります。充電専用のケーブルもあれば、高速データ転送に対応したケーブルもあります。
- 充電だけなら:パッケージの60W/240Wロゴを確認する
- 高速データ転送なら:USB4対応とGbps表示のロゴを確認する
用途で見るべき規格が変わります
充電だけしたい場合
確認するのは、パッケージに表示された60Wまたは240Wのワット数ロゴです。USB Type-Cケーブル240Wパッケージロゴを使えるのは240W定格のケーブルに限られ、USB Power Delivery 3.1 Extended Power Range(EPR)とUSB Type-C Connectors and Cable Assemblies 2.1のUSB-IFテスト手順に合格し、USB-IF Integrators Listに掲載されていることが条件になります。60Wパッケージロゴも同様に60W定格のケーブル専用で、USB Power Delivery 3.1 Standard Power Range(SPR)とUSB Type-C Connectors and Cable Assemblies 2.1のテスト手順への合格が条件です。
60Wロゴのケーブルは60Wを超える充電には使えません。60Wを超える充電には、240Wロゴのケーブル、またはメーカーが100W・240W対応を明記したケーブルを選びます。なお、USB 2.0 Type-C(240W/60W)ケーブルは、最大480Mbpsでデータを転送できますが、この性能は電力ロゴには反映されません。
高速データ転送をしたい場合
確認するのは、USB4対応とパッケージのGbps表示です。USB4は既存のUSB Type-Cケーブルで2レーン動作し、40Gbps認証ケーブルを使えば最大40Gbps動作になります。USB4は既存のUSB 3.2・USB 2.0・Thunderbolt 3のホスト/デバイスとも後方互換性があり、接続は双方の最大能力に合わせてスケールするため、同じUSB4対応ポートでも挿すケーブルによって実際の速度は変わります。USB PD全体の仕様整理はUSB PD規格ガイドもあわせてご確認ください。
USB4 Version 2.0は、既存の40Gbps USB Type-Cパッシブケーブルと、新たに規定された80Gbps USB Type-Cアクティブケーブルを使って、最大80Gbps動作を実現します。非常に高性能なUSB4ディスプレイ駆動など特定用途向けには、片方向120Gbps・もう片方向40Gbpsの非対称構成もオプションで選べます。対応状況の詳細はUSB4 Version 2.0(80Gbps)ガイドで解説しています。
USB 3.2 Gen 2のUSBデータ信号レートは10Gb/sです。USB-IFは、USB仕様名や技術用語(Gen2x2等)を一般消費者向けの説明に用いることを意図しておらず、認証ロゴでの速度表記を案内しています。本記事でも消費者向けの表記にならい、「USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)」のように速度表記を主にし、規格名を括弧で併記します。
パッケージのロゴは、データレートと電力ワット数を組み合わせて表示され、たとえば20Gbpsで20V/3Aに対応するケーブルは「Combined Performance and Power 20Gbps/60W」ロゴになります。USB-IF認証ロゴは、USB-IFコンプライアンステストプログラムに合格し、USB-IF Integrators Listに掲載された製品だけが使えます。企業はUSB-IF商標ライセンス契約を結んでいる必要があり、ウェブサイトや製品パッケージでの無許可の使用はできません。パッケージにロゴが表示されている製品は、この認証を経ている可能性が高いという目安になります。
Thunderbolt対応をうたうケーブルについて
Thunderbolt 3(2015年発表)は、データ・映像・給電をUSB-Cコネクタ上で統合し、速度を倍増させ40Gbpsを実現した規格です。Thunderbolt 4のポート帯域幅は40Gbpsの双方向帯域幅です。Thunderbolt 5は双方向80Gbpsの帯域幅を持ち、Bandwidth Boost機能を使うと最大120Gbpsの片方向転送(送信80→120Gbps、受信80→40Gbps)が可能になります。世代ごとの違いはUSB4とThunderbolt 4の比較ガイドでも整理しています。
給電能力も世代で異なり、Intelの比較表ではThunderbolt 4搭載PCの充電対応は最大140W、Thunderbolt 5搭載PCは最大240Wで、いずれもPC本体側の充電上限です。Thunderbolt 4の一般的な訴求点は1本のケーブルで最大100W充電であり、240WはThunderbolt 5の給電上限であって、Thunderbolt 4がそのまま240Wに対応するわけではありません。Thunderbolt 5は最大240WのPC充電に対応し、アクセサリー向けの最低給電は15Wです。充電器側のワット数選びはUSB-C充電器のワット数ガイドもあわせてご覧ください。
Thunderbolt 5・Thunderbolt 4・USB4は、いずれもUSB4仕様への準拠が要件です。Thunderbolt対応をうたうケーブルのスペックを確認するときは、この前提を踏まえます。
規格を比較する
| 規格 | 最大データ速度 | 給電(PC充電時) | 主な用途 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| USB4 | 40Gbps(40Gbps認証ケーブル使用時) | — | 転送 | 既存ケーブルで動作、後方互換あり |
| USB4 Version 2.0 | 最大80Gbps(パッシブ/アクティブ) | — | 転送 | 特定用途で非対称構成も選択可 |
| USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2) | 10Gb/s | — | 転送 | — |
| USB 2.0 Type-C(240W/60Wロゴ) | 最大480Mbps | 240W/60W | 充電 | データ性能は電力ロゴに非反映 |
| Thunderbolt 3 | 40Gbps | — | 映像・転送 | 2015年発表、USB-Cに統合 |
| Thunderbolt 4 | 40Gbps(双方向) | 最大140W | 映像・転送・充電 | USB4仕様準拠が必須 |
| Thunderbolt 5 | 80Gbps(双方向、最大120Gbps) | 最大240W/アクセサリー15W | 映像・転送・充電 | USB4仕様準拠が必須 |
Thunderbolt 4/5の給電欄は、Intelの比較表によるPC本体側の充電上限で、ケーブル自体の定格ではありません。USB 2.0 Type-C(240W/60Wロゴ)の欄は、ケーブルのパッケージロゴに表示される定格ワット数です。
E-Markerと56kΩ抵抗——安全性に関わるポイント
USB Type-Cケーブルアセンブリは、USB Type-C Cable and Connector Specificationの最新版で規定された条件に従って電子的にマーキング(E-Marker、電子マーカー)されますが、すべてのケーブルアセンブリが電子マーキングを必要とするわけではありません。E-MarkerについてはE-Markerチップガイドもあわせてご覧ください。
AnkerのE-markチップ搭載製品は、PowerLine III USB-C to USB-C 100W(A8856)、PowerLine III Flow USB-C to USB-C(A8552/A8553)、PowerLine+III USB-C to USB-C 10ft(A8758)、333 USB-C to USB-C Cable 3.3ft 100W(A8756)、333 USB-C to USB-C Cable 6ft 100W(A8757)です。
「56kΩの抵抗」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。これは、USB Type-C to Standard-A(USB-A)ケーブルアセンブリ(レガシーホスト向け)のCCピン(A5)からVBUSへの抵抗(Rp抵抗)が56kΩ±5%であることを、USB-IFコンプライアンステストの要件として定めたものです。一般的なUSB-C to USB-Cケーブル同士の話ではなく、USB-C側とレガシーなUSB-A側を接続するケーブルに関する規定である点に注意してください。
買うときのチェックリスト
- 転送速度を重視するなら:パッケージのロゴの速度表示(例:20Gbps)を見る。電力だけのロゴ(60W/240W)には転送速度が反映されません。
- 充電するW数とロゴを合わせる:60Wロゴのケーブルは60W定格なので、60Wを超える充電には使わない。60Wを超える充電には、240Wロゴのケーブル、またはメーカーが100W・240W対応を明記したケーブルを選ぶ。
- Thunderbolt対応をうたう製品を選ぶなら:USB4仕様準拠が前提になっている点を踏まえて選ぶ。
- ロゴがない製品は:USB-IFの認証を受けていない可能性がある。
Ankerのケーブルを見る
Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-Cケーブル
最大出力240W、転送速度は最大480Mbps。E-markチップを搭載しています。